時代屋プロ 其の1        

                                                    

伝統芸能・南京玉すだれ

  『アさて アさて アさて さてさてさて さては南京玉すだれ・・・♪』と軽快なテンポで演じられる「南京玉すだれ」は、これまで継承者も少なく愛好家もごく限られたものであったが、ここ数年の間に、子供さんから女性も含めて中高年も気軽に楽しるということで一つのブームとなってきた感あり、現在は愛好家が増え人気を評している。

 伝統芸能・南京玉すだれは江戸時代、旅の放浪芸人が道端や広場で演じ、投げ銭を貰っていた。また、香具師がお客さんを集めるために演じ、その後で物を売っていた。明治になり寄席でやるようになったが、大正時代になると寄席から消えてしまった。玉すだれの原型は、平安時代から現在に引き継がれている越中(富山及び岐阜県高山)のササラや福井県のビンザサラで、短冊状の板をつづりあわせた楽器である。

<口上>
 ちょいとご免こうむりますれば、近頃、京・大阪・江戸、三箇の津において流行りきたるは唐人・阿蘭陀・南京無双の玉すだれ、竹の数が五十と四本、糸の結びが百と八つ、百八つの煩悩と申しましょうが、只今より、この竹と糸との張り合いをもちまして神通自在に操ってご覧にいれまする・・・。

「南京玉すだれ」基本の囃子文句

@ アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ 
  チョイと伸ばせば 浦島太郎さんの 魚釣り竿にチョイと似たり 
  浦島太郎さんの 魚釣り竿がお目に止まればおなぐさみ お目に止まれば元へと返す

A アさて アさて さては南京玉すだれ 
   チョイと返せば 瀬田の唐橋 唐金擬宝珠 
   擬宝珠ないのがおなぐさみ 瀬田の唐橋 お目に止まれば元へと返す

B アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ 
   チョイと伸ばせば おらが在所のご門でござる おらが在所のご門が 
   お目に止まれば 炭焼き小屋へと早がわり 炭焼き小屋が お目に止まれば元へと返す

C アさて アさて さては南京玉すだれ 
   東海道は五十と三次 中仙道は六十七里 あまたの宿々 
   なくてならないそばやの看板 そばやの看板 お目に止まれば元へと返す

D アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ 
   チョイと伸ばせば阿弥陀如来か 釈迦無二か 
   後光に見えればおなぐさみ 阿弥陀如来が お目に止まれば元へと返す

E アさて アさて さては南京玉すだれ 
   チョイと返せば 日本三景は天の橋立 
   浮かぶ白帆にさも似たり 浮かぶ白帆がお目に止まれば元へと返す

F アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ 
   チョイと返せば 日米国旗にさも似たり 日米国旗がお目に止まれば 
   しだれ柳に早がわり しだれ柳に飛びつく蛙 蛙いないがおなぐさみ

   
アさて アさて アさて さて さて さて さては南京玉すだれ

 
                              JR京都駅前:京都リーガローヤルホテルにて


      
浦島太郎さんの魚釣り竿でござ〜い       瀬田の唐橋にござ〜い!       おらが在所の、石の鳥居でござ〜い     炭焼き小屋に、さも似たり


      
そば屋の看板・・・♪             阿弥陀如来か釈迦無二か・・・        日米国旗に、さも似たり            しだれ柳が福笹か・・・♪


    


                                                   

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