時代屋プロ 其の4 


    筑波山名物・ガマの油売り

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正調・筑波山ガマの油売り

「さあ、さあ、お立ち会い・・・」

ガマとはヒキガエルのことで、茨城県つくば市の筑波山は口上「ガマの油売り」として有名である。毎年8月第1日曜日には筑波山神社境内を中心に「ガマ祭り」が開催される。ガマの供養と商売繁盛を祈願し、大ガマを乗せたガマ御輿や名物ガマの油売り口上が繰り広げられる。

「ガマの油」とは、ヒキガルの分泌物にヤシ油などの成分を加えたものと云われ、切り傷・ひび・あかぎれに効くと言われるようになったのは関ヶ原の戦いの頃とされる。大阪夏の陣・冬の陣で家康方に従軍した筑波山神社の住職が、戦中の救急薬としてガマの油を使用し、傷口によく効いたことから一躍有名になり、筑波山名物「「陣中膏ガマの油」と云う名が世に知れ渡ったと云われる。

「筑波山名物・ガマの油売り」口上は、200余年前、常陸国筑波郡筑波山麓出身の永井兵助が、故郷の薬「ガマの油」で一旗揚げようと売り口上を考案し、江戸・浅草の縁日の大道で披露したのが始まりとされる。後に大道芸としてガマの油は口上と共に広く知られるようになった。

『さあて、お立会い!ご用とお急ぎでない方は、ゆっくりと聞いておいで!遠出山越えは傘のうち、聞かざる時には・・・・ガンマ先生、ビックリ仰天致しまして御体から油汗をばタラ〜リ・タラ〜リと流しまする。その油汗をば・・・』と、名調子に乗って、昔懐かしい筑波山名物は「ガマの油売り」口上の大道芸でござりまする・・・。

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第17回 東大阪市民文化芸術祭出演
                  東大阪市立市民会館 平成19年3月3日

  

  



”ぱっと!散らすならば、比良の暮雪か京都嵐山には落下吹雪の舞いとござ〜い・・・♪”


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平成18年度 筑波山ガマまつりに参加・野外公演 

  
        『サア!一枚の紙がが二枚、二枚が四枚、四枚が八枚・・・・・』                                 筑波山名物・筑波山ガマ口上保存会の名人・先輩方と記念写真をパチリ・・・♪

  
     平成17年8月7日: ”筑波山・がま祭り”風景                                              筑波山神社にて第十九代名人・永井兵助(吉岡久子氏)による奉納 「ガマの油売り口上」



かねてより申請していた筑波山ガマ口上保存会の「口上士」について、この度、その技量が認められ?筑波山ガマ口上士の認定証が送られてきた。
今後は、本場の筑波山ガマ口上保存会の名を汚すことのないよう精進を積み、認定証に恥じないよう切磋琢磨、ガマ口上の発展に努めていく所存である。

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<道頓堀・飛び込みステージ出場シーン>から

   
 さーて、お立会い、ここに取り出したるは陣中膏ガマの油・・・           錆び・刃こぼれ一つない見事な名刀でござる・・・

   
 (左)このバナナ、天中高く放り投げ、てまえ永年鍛えた時代屋流・抜刀術で一刀両断に切ってご覧にいれよう・・・
 (右)一枚の紙が二枚、二枚が四枚・・・ほれこの通り、ふっと散らせば比良の暮雪は雪降りの姿、嵐山は落下の舞いでござーい!
 


<筑波山名物・ガマの油売り 口上>

さあさあ お立ち会い! ご用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいで。
遠出山越え笠のうち、聞かざる時は物の黒白・善悪がとんと分からない。山寺の鐘がゴオーン、ゴオーンと鳴ると云えども、童子来たって鐘に鐘木を当てざれば、とんと鐘の音色が分からない。

さーて お立ち会い!
手前ここに取りい出したるは陣中膏ガマの油。ガマと申してもそんじょそこらにいる只のガマとはガマが違う。これよりはるか北、関東・茨城県は筑波山の麓、おんばこと言う露草を食って育った四六のガマだ。四六五六はどこで見分ける、前足の指が四本、後足の指が六本、これを併せてシロクのガマと言う。山越え、谷越え、山中深く分け入って捕らえたこのシロクのガマを、一尺三寸・四角四面・鑑張りの箱に入れると、ガマは鏡に写った己の醜い姿に驚きタラーリ、タラーリと油汗を流す、これをすき取り、柳の小枝で三七、二十と一日間、トローリ、トローリと煮詰めましたるがこの陣中膏ガマの油でござる。

ガマの油の効能はと申すと、いつにガンガサ、ゆう梅毒、次にひび・あかぎれ・しもやけの妙薬、前に回ってインキンタムシ、後に回って出痔・いぼ痔・はしりの他、一切の切り傷。またまた、後家さんの性器のかゆみに、新婚さん・おじいちゃん・おばあちゃんの腰の疲れに肩の痛み。まだござる、大の大人が七転八倒、ゴロンゴロンと転げ回って苦しむ虫歯の痛みだが、だがご安心、このガマの油をクルリと丸めて歯のウツロにそっと詰め込むだけで、歯の痛みなんざあピタリと止まる。

さーて お立ち会い!手前、次に取りい出したるは正宗が暇に空かして鍛えたと云う業物だ、エーイッ!抜けば玉散る氷の刃、サビ・刃こぼれ一つしていない見事な名刀でござる。今からこの名刀の切れ味をご覧にいれよう。ここに美味しそうなバナナがひとふさござる。この中の一本を天空高く放り投げ、手前、長年鍛えた時代屋流・抜刀術でこのバナナを一刀両断の下に切ってご覧にいれる。目にも止まらぬ早業でござる故、まばたきなどをやっていると、見損ないまするぞ! エイッ!我ながら見事な切れ味でござる!。
では次に、ちょうどここに一枚の紙がござる、これを切ってご覧にいれる。ハーイ、一枚の紙が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が十六枚、十六枚が三十と二枚、三十二枚が六十四枚、六十四枚が一百と二十八枚、、、これ以上は時間がござらぬ、この紙切れも、ほれこの通りふっと散らせば比良の暮雪は雪降りの姿、嵐山は落下の舞でござーい!

さあー お立ち会い!これなる名刀もひとたびこのガマの油をつけると、たちまち切れ味がとまる、ほれこの通り押しても引いても切れはせぬ、と言うて、もなまくらになったのではないぞ、お立ち会い!
このように油をきれいに拭き取ると元の切れ味に戻る。では、手前の腕に当てて試してご覧にいれる。では参る、赤い血が出るか?黒い血が出るか?エイッ!ほれこのとおり、腕に刃を当てると赤い血がしたたる。ここにガマの油を塗ると出血はピタリと止まる。

さて、お立ち会い、これでガマの油の効能はお分かりでござろう、分かったら遠慮はご無用、どんどんと買ってお行きやれ。


”大道芸・ガマの油売り”

大江戸大道芸・がまの油売り

  
                  この画像は京都・太秦「東映映画村」見学の折、撮らして戴いた俳優さんの名演技の模様でござる!

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いや〜恐縮です、下記コピーは洒落で掲載しました・・・・・

<新聞報道から・・・>

↓2006年8月31日付けの朝日新聞夕刊の全国版に、下記の記事が掲載され、時代屋武ちゃんの写真も載っていました。それも突然、無断で・・・(笑)。
本人もビックリ仰天でした・・・!

平成18年8月31日付け、朝日新聞夕刊(全国版)に、時代屋 武ちゃん公演中の写真と共に掲載されました「筑波山がまの油売り口上」特集記事です・・・・・♪
日本音紀行

郷土の誇り 口上に込め

写真 

刀の切れ味を見せる紙吹雪の場面は口上の見せ場。秘策を練ったポーズが決まると拍手がわいた=8月6日、つくば市の筑波山ガマまつりで、上田頴人撮影

ガマの油売り(茨城県つくば市)

 白鉢巻きをきりりと締めて、「さあさ、お立ち会い」。聴衆の前に刀を振り上げ、「一枚が二枚、二枚が四枚……」、芝居気たっぷりの朗々たる口上に合わせて紙を切り刻んでいく。紙吹雪に歓声が起こるや、今度はその刃を腕にあて、語気を強めてこう見得(みえ)を切る。「でも心配はいらぬ。ひと塗りすれば、これこの通り。ピタリと止まる血止めの薬とござりまする」。拍手喝采――。    ◇

 筑波山名物ガマの油売り。落語のネタとしても有名だ。講談調のなめらかな口上に、ご当地では人懐っこい茨城弁のアドリブを交え、笑いを誘う。週末、筑波山神社のそばで、「筑波山ガマ口上保存会」の有志が実演をする。

 「大人になったら自分もやりたいと言って、親に怒られた」。少年のころ、近所の神社で油売りを見た日の思い出を語るのは「口上師・須田瑞雲」こと須田瑞男さん(69)。

 時は流れ小学校の教師をしていた20年ほど前、須田さんは、つくば科学万博の会場で当時の名人「18代永井兵助」こと岡野寛人さん(97)の口上を聴いた。万雷の拍手に感激、岡野さんに教えを請うたのが「須田瑞雲」の第一歩だった。

    ◇

 刀を派手に振り回す大道芸を、同じあこがれの目で見ていたかつての少年たちが集まって、やがて保存会が生まれる。「ガマの油はオラの地元のもんだっぺ」。ふるさとが誇る伝統芸能だと思うから、会員は毎週集まり腕を磨きあう。「口上は人生の縮図。その人なりの味を出せばいい」。まとめ役の須田さんは、こう考えている。

(09/01)
朝日マリオン 提供

観光案内

◆ガマの油

 ガマガエルの分泌液を原料にした塗り薬とのふれ込みで、切り傷、やけどなどへの効能をうたった「ガマの油」。豊臣方と徳川方が戦った大坂の陣で、徳川方に従軍した筑波山腹の寺の住職が傷薬に用い、筑波山にガマが多く生息していたこともあって、筑波名物として知れ渡ったという言い伝えが残る。

 口上は江戸時代、筑波山ろく永井村の兵助が、ガマの油で一もうけしようと宣伝文句を考えたのが始まりとされる。薬としての効能よりも口上のおもしろさで販売する「油売り」が、各地の縁日などで芸を披露。正調の口上にアレンジが加えられるなどして、今もなお伝統大道芸の地位を保つ。ガマの油の土産品も市内で販売されている。

◆筑波山ガマ口上保存会

 会員数約90人。永井兵助を襲名する名人を、技や人柄など総合的に判断して選定している。現在19代には初の女性名人、吉岡久子さん(83)。[土][日]には筑波山腹の観光施設「ガマ園」で実演。見物できる(要問い合わせ)。出張実演や、春秋には一般向けの講習会も。電話029・866・1110。

                                                                          

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